ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
バロン [SUPERBIT(TM)]

★★★☆☆

THE ADVENTURES OF BARON MUNCHAUSEN


監督: テリー・ギリアム
製作: トーマス・シューリー、レイ・クーパー
原作: ゴットフリート・ビュルガー (クレジットなし)
脚本: チャールズ・マッケオン、テリー・ギリアム
撮影: ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽: マイケル・ケイメン

出演: ジョン・ネヴィル・・・バロン・ミュンヒハウゼン男爵
サラ・ポーリー・・・サリー(少女)
エリック・アイドル・・・バート・ホールド(足が速い)
オリヴァー・リード・・・ヴァルカン(地底の神)
ジョナサン・プライス・・・ホレーショウ・ジャクソン
スティング・・・兵士
ロビン・ウィリアムズ・・・月の王
ユマ・サーマン・・・ヴィーナス
ヴァレンティナ・コルテーゼ・・・女王アリアドネ
アリソン・ステッドマン・・・デイジー
ウィンストン・デニス・・・アルブレヒト(怪力)
チャールズ・マッケオン・・・アドルファス(鉄砲の名手)
ジャック・パーヴィス・・・グスタヴァス(地獄耳&すごい肺活量)
ビル・パターソン・・・ヘンリー・ソルト
ピーター・ジェフリー・・・サルタン
レイ・クーパー・・・役人


◆ストーリー◆

18世紀のドイツ。

トルコ軍に攻められ、窮地に陥った町があった。

そこに現れたのはバロンことミュンヒハウゼン男爵。

「この戦いに決着をつけられるのは自分だけ」と豪語するが、市民は誰も信じない。

しかし、旅芝居の一座の娘サリーだけはバロンを信じ、共に町を救う旅に出ることに。


◆感想◆

スケールが大きくて、エキストラの数もすごいし、金かかってんな~っていうのがよくわかる。

でも、ストーリーがいまいち心に残らないんですよね。

映像とか、出演者のインパクトが強すぎて・・・

ミュンヒハウゼン男爵が突然、芝居の舞台に現れて、昔の武勇伝を語りだすんですよね。

みんな信じてないんだけど、サリーという少女だけがその話を信じて、超人的な能力を持った彼の仲間たちを探す旅に出るんです。

(ちなみに、この勇敢な少女サリーは、「死ぬまでにしたい10のこと 」のサラ・ポーリー。)

当然、簡単に見つかるわけはなく、やっと見つけたと思ったら、みんな年寄りになってて、能力がすっかり衰えていて・・・っていうお話なんですが、ラストがえっ?!って感じなんです。

え~!そんな終わらせ方するの~~?!って思ったら、実は・・・

本物の前のオチがすごくリアリティがあるので、すっかり騙されました。

原作もそんな感じなんでしょうか?


ミュンヒハウゼンっていうほら吹きの男爵っていうのは、実在の人物らしいですね。

周囲の同情や関心を集めるために病気を装ったり自傷したりするミュンヒハウゼン症候群という精神疾患があるそうですが、これは、ミュンヒハウゼンがほら話で周囲の関心をひいたことから名づけられたそうです。

なんか、ほら吹きで後世まで名前が残るってのは複雑な感じがしますが・・・周囲の気を引きたくて仕方なかったミュンヒハウゼン男爵は、きっと草葉の陰で喜んでいることでしょうシラー


ロビン・ウィリアムズがちょっとしか出てこないんだけど、インパクト大です。

思いっきり楽しんでるというか、はじけてます。


とりあえず、奇妙奇天烈な作品だと思います。でも、家族でも楽しめるんじゃないかな?

ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
サンタクローズ

★★★★☆

THE SANTA CLAUSE(97分)


監督: ジョン・パスキン
製作: ブライアン・ライリー、ジェフリー・シルヴァー

ロバート・ニューメイヤー
製作総指揮: リチャード・ベイカー、リック・メッシーナ

ジェームズ・ミラー
脚本: レオ・ベンヴェヌーティ、スティーヴ・ルドニック
撮影: ウォルト・ロイド
音楽: マイケル・コンヴァーティノ

出演: ティム・アレン・・・スコット・カルヴィン/サンタクローズ
ジャッジ・ラインホルド・・・ニール・ミラー(ローラの夫・分析医)
ウェンディ・クルーソン・・・ローラ・カルヴィン・ミラー(スコットの元妻・ニールの妻)
エリック・ロイド・・・チャーリー・カルヴィン(スコットの息子)
デヴィッド・クロムホルツ・・・バーナード(妖精)
ラリー・ブランデンバーグ・・・刑事
メアリー・グロス・・・ダニエル
ペイジ・タマダ・・・ジュディ(妖精)
ピーター・ボイル・・・ホイットル(スコットの上司)


◆ストーリー◆

おもちゃ会社の重役スコットはバツイチ。

クリスマスイブの夜に、離れて暮らす息子のチャーリーと過ごせるのを楽しみにしているが、息子のチャーリーはそれほどうれしくなさそう。

そんな時、家の屋根からサンタクロースが落ちてきて、スコットは、半ば無理やり彼との間で次のサンタを引き受ける契約を交わすハメに。

やがてスコットの身体はブクブク太りだし、髪もヒゲも真っ白になって、チャーリーや子供たちは大喜び。

しかし大人たちはスコットを変人扱いし始める。



◆感想◆

題名は、「サンタクロー”ス”(SANTA CLAUS)」じゃなくって「サンタクロー”ズ”(SANTA CLAUSE)」。

clauseっていうのは、条項とか取り決めとかいう意味らしい。

バツイチパパ(スコット)がクリスマスイブに屋根から落ちてきたサンタを助けようとしたところ、サンタと次期サンタになるという契約を交わしてしまう。(無理やり交わされる。)

スコットは、バカバカしい・・・冗談だろう・・・って思うんだけど、体型や風貌がだんだんとサンタになってきて、気持ちもだんだんとサンタになっていくんですよね。

他のサンタによって洗脳されるとかいうんではなく、自分の容姿が変わっていくにつれてその気になってくるというか・・・

でも、ただの楽しいだけの作品ではない。

親権の問題とか、大人の事情なんかもからんできたりして。


子供向き、ファミリー向きの映画だとは思うんですが、大人でも、観てるうちにサンタさんを信じていた子供の頃を思い出すかもしれません。

ものすご~い怖い映画だとか、ものすご~く謎めいた映画とか、ものすご~く暴力的な映画が好きな方には、オススメできませんが、普通に楽しい映画が見たいなっていう大人の方には普通に楽しめるかもしれません。


20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン
ビッグ
★★★★★

BIG(102分)


監督: ペニー・マーシャル
製作: ジェームズ・L・ブルックス、ロバート・グリーンハット
原作: B・B・ヒラー、ニール・ヒラー
脚本: ゲイリー・ロス、アン・スピルバーグ
撮影: バリー・ソネンフェルド
音楽: ハワード・ショア
タイトルデザイン: ソウル・バス

出演: トム・ハンクス・・・ジョシュ
エリザベス・パーキンス・・・スーザン(ジョシュの同僚)
ロバート・ロジア・・・マクミラン社長
ジャレッド・ラシュトン・・・ビリー(ジョシュの親友)
ジョン・ハード・・・ポール(ジョシュの同僚)
デヴィッド・モスコー・・・ジョシュ(少年時代)
マーセデス・ルール・・・ジョシュの母


◆ストーリー◆

体が小さいことが悩みの12歳のジョシュは、移動遊園地がやってきたある夜、願いを叶える”ゾルター”の機械にコインを入れ、大人になりたいとお願いする。

翌朝、目覚めるとジョシュは、35歳の大人になっていた!

ジョシュの母親は、息子が誘拐されたと思い込む。

親友のビリーの協力によっておもちゃメーカーに就職したジョシュ。

子供の心を持ったジョシュは、その自由な発想が社長に認められ、とんとん拍子に昇格していく。



◆感想◆

これ、大学時代、図書館の地下のホールで上映されてたのを観た記憶が・・・

ってことで、2回目なんですが、子供が翌朝、大人になってるってことと、ピアノのシーンしか覚えてなかった。

ピアノのシーンっていうのは、おもちゃ売り場で、おもちゃメーカーの社長と足で演奏するピアノ(ハンドロールピアノのでっかい版みたいなの。)を演奏するシーン。

あのシーンは、大好きです。


大人になりたいと願う少年が、朝目覚めたら、子供の心を持ったまま大人になっていて、おもちゃメーカーに就職し、ライバルたちを尻目にどんどん出世していくっていうわかりやすい話なんですが、ラストは、ちょっぴり切ないです。

ジョシュが子供に戻っていくときに、スーツがだんだんブカブカになってくるんですが、それを見つめるスーザン(おもちゃメーカーの同僚で恋人)の姿が切ない。

ジョシュが実は、子供だということを知り、ジョシュに一緒に12歳に戻ろうって言われたスーザンは、「私はもうその時代を生きてしまったから。一生に一度で十分。」って言うんだけど、私もスーザンに同意。

どんなに若返ることができるとしても(10代や20代に戻れるとしても)、その年代を経験するのは、一生に一度で十分です。


しかし、トム・ハンクスがほんとに12歳の男子そのものなんです。

オレオのクリーム舐めるところとか、ベッドで飛び跳ねるところとか・・・

最近は、真面目な役が多いトム・ハンクスですが、やっぱり、トム・ハンクスは、コメディがサイコーですね。



ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
パッチ・アダムス (ユニバーサル・セレクション第6弾) 【初回生産限定】

★★★★★☆彡

PATCH ADAMS(116分)


監督: トム・シャドヤック
製作: バリー・ケンプ、マイク・ファレル、マーヴィン・ミノフ
チャールズ・ニューワース
脚本: スティーヴ・オーデカーク
撮影: フェドン・パパマイケル
音楽: マーク・シェイマン

出演: ロビン・ウィリアムズ・・・パッチ・アダムス
ダニエル・ロンドン・・・トルーマン(同級生)
モニカ・ポッター・・・カリン(同級生・パッチの恋人)
フィリップ・シーモア・ホフマン・・・ミッチ(同級生・パッチのルームメイト)
ボブ・ガントン・・・ウォルコット学部長
ジョセフ・ソマー・・・イートン(医師)
イルマ・P・ホール・・・ジョレッタ(看護師)
ピーター・コヨーテ・・・ビル(すい臓がん患者)
ハロルド・グールド・・・アーサー・メンデルソン(資産家)


◆ストーリー◆

自殺癖を持つアダムスは、自らの意志で精神科に入院。

彼はそこで”笑い”が心の癒しになると気づき、医学の道を志す。

2年後、ヴァージニア大学の医学部に見事入学。

治療の一環としてユーモアで患者を楽しませることを主張するが、彼の理論は、学部長や仲間に理解されなかった。

そこで彼は恋人カリンとともに、夢に見ていた無料治療院を開設する。



◆感想◆

ロビン・ウィリアムズって、先生の役多いですよね。

レナードの朝 」や「奇蹟の輝き 」、「9か月 」・・・あと、医者ではないけど、「いまを生きる 」では、学校の先生だったし、「フック 」では弁護士の先生でしたよね。

病院の先生にしろ、学校の先生にしろ、弁護士にしろ、彼が演ずる先生みたいな人が実際にいれば、いいよね~って思ってたんですが、パッチ・アダムスがまさに、ロビン・ウィリアムズが演じる先生そのものの実在の人物。

この映画が実話を基にしているというのは、たぶん、よく知られていることだと思います。

DVDの特典映像にパッチ・アダムス本人がインタビューに答えてたんですが、見るからに陽気なおじさん。(マイク真木にドン小西の衣装を着せたような・・・)

そのインタビューの中でビックリしたのは、映画のラストのほうに出てくるヌードルプールの話が実話だということ。

映画だからフィクションの部分もあるわけですが、ヌードルプールは、絶対、フィクションだろうと思ってた!

このヌードルプール、母親がイタリア出身で、スパゲティのプールに入るのが夢だという入院中のおばあさんが、食事を食べなくなったので、パッチがおばあさんの夢をかなえるべく、ヌードルプールを作ってあげるんです。

そして、パッチとおばあさんがヌードルまみれになっておばあさんは元気を取り戻すというエピソード。

しかし、あれを本当にやってしまっていたとは!

あと、インタビューでは触れられていなかったけど、恋人のカリンの事件は、実話なんでしょうか?

すごく心温まるいい話なんだけど、カリンの事件だけが、衝撃的というか・・・


医療の世界に限らず、誰もがやったことがないような新しいことを始めようとするとき(この映画の場合は、、笑いが人の心や体の病を癒すということ)、猛烈な反発があると思うんですが、パッチの場合も、他の学生や学部長たちの反発を受けながらも屈せず、時には突拍子もないことをやってみたりして自分の信念を貫くわけです。

パッチのルームメイトでエリートのミッチもパッチのことを快く思っていなかったけど、ヌードルプールのころには、すっかりパッチを支持するようになっている。

このミッチを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンが、イイんですよね~。

はっきり言って、ルックス的には、好きな役者じゃないんですが(失礼!)、この映画の彼は、最初のほうは大嫌いなキャラなんだけど、ラストのほうの笑顔の彼とのギャップがイイ!


この映画が公開されてから、パッチのように赤い鼻をつけた「クリニクラウン」(クリニック+クラウン(=ピエロ))が世界各地で広まったらしい。

日本でも、広まりつつあるそうですが、もっと当たり前になればいいのにと思います。

病気の子供たちだけではなく、老人や、この映画にも出てくるような働き盛りで病気になってしまったような人(すい臓がんで自暴自棄になっているビル)たちに対しても、病院の中でバカみたいに笑える機会が与えられれば、楽しいとは言えないまでも、少しは、心が休まるんじゃないでしょうか?

昔みたいに威張ってるお医者さんは少なくなったと思いますが、これから医者を目指す方や、現職のお医者さんもぜひ見て欲しい作品です。


観終わって、特典映像の中の監督だったか脚本家だったかのインタビューで知ったんですが、この作品の最初のほうは、パッチは20代という設定らしい。

そう思うと、ロビン・ウィリアムズの20代はムリがあるような気がしたが(そういや、「奇蹟の輝き 」でも、妻と出会った頃の回想シーン(おそらく20代)を演じてたっけ?)、とにかく、最後の最後まで、ロビン・ウィリアムズが笑わせてくれます。(卒業式の衣装が・・・叫び


ちなみに、パッチ・アダムス氏が設立した『Gesundheit Institute(ゲズンハイト・インスティテュート:お元気で施設)』のホームページがあります。

英語のサイトですが、興味のある方は、どうぞ。


http://www.patchadams.org/


ポニーキャニオン
アメリカン・スウィートハート

★★★★☆

AMERICA'S SWEETHEARTS(103分)


監督: ジョー・ロス
製作: スーザン・アーノルド、ビリー・クリスタル、ドナ・ロス
製作総指揮: チャールズ・ニューワース、ピーター・トラン
脚本: ビリー・クリスタル、ピーター・トラン
撮影: フェドン・パパマイケル
編集: スティーヴン・A・ロッター
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演: ジュリア・ロバーツ・・・キキ・ハリソン(グウェンの妹)
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ・・・グウェン・ハリソン(キキの姉)
ジョン・キューザック・・・エディ・トーマス(グウェンの元夫)
ビリー・クリスタル・・・リー・フィリップス(宣伝マン)
ハンク・アザリア・・・ヘクター(グウェンの恋人)
スタンリー・トゥッチ・・・デイヴ・キングマン(プロデューサー)
クリストファー・ウォーケン・・・ハル・ワイドマン(映画監督)
セス・グリーン・・・ダニー・ワックス(宣伝マン)
アラン・アーキン・・・伝道師
ラリー・キング・・・本人(トーク・ショウのホスト)
スティーヴ・ピンク・・・リムジンの運転手
ケリー・リン・プラット


◆ストーリー◆

理想のカップルと言われた映画スター同士の大物カップル、グウェンとエディは、グウェンの浮気をきっかけに別居状態。

しかし、エディは、グウェンへの想いを断ち切れないでいた。

そんなエディに、グウェンの妹で彼女の付き人をしているキキは、密かに想いを寄せていた。

ある日、キキのもとに、映画宣伝マンのリーがエディとグウェンの最後の共演作『時を超えて』の宣伝のため、二人の復縁に手を貸して欲しいと話を持ちかけてきた。



◆感想◆

結構、豪華キャストですよね。

だからかもしれませんが、どこのサイトのレビュー見ても、期待外れとか駄作だとかいう評価が多いんですが、確かにむちゃくちゃ面白くはなかったですが、意外に笑えた。

特に、ジョン・キューザックのダメ男っぷりがサイコーです。

あと、たまに出てくる宣伝マン役のセス・グリーンのおとぼけっぷりがサイコー!

キャサリン・ゼタ・ジョーンズは、ハリウッドの大女優役で、いわゆる、一般人がイメージしてるようなステレオタイプなわがままで傲慢な大女優を演じてます。

そして、ジュリア・ロバーツが、妹役なんですが、どう見ても姉にしか見えないと思ったら、やっぱり、実年齢では、ジュリア・ロバーツのほうが上だったんですね。

ジュリア・ロバーツをわがままな大女優の役にしたら、リアリティありすぎるからでしょうか?!

しかし、離婚秒読みの夫婦を仲良く見せかけたり、故意にゴシップを流したりして新作映画を宣伝するのって、ハリウッドではよく行われてるんでしょうかね?ハリウッドの裏事情を皮肉った映画?

ジョン・キューザック演じるエディの役が、憐れでかわいそうだったんですが(いつまで未練タラタラやねん!ってイライラする場面もありましたが。)、ラストは痛快です。(大女優の化けの皮が剥がされて・・・でも、後味は悪くないです。)


ジェネオン エンタテインメント
TAXi3 DTSスペシャルエディション

★★★★☆

TAXI 3(87分)


監督: ジェラール・クラヴジック
製作: リュック・ベッソン
製作総指揮: ベルナール・グルネ
脚本: リュック・ベッソン
撮影: ジェラール・ステラン

出演: サミー・ナセリ・・・ダニエル(タクシー運転手)
フレデリック・ディファンタール・・・エミリアン(刑事)
ベルナール・ファルシー・・・ジベール署長
バイ・リン・・・キウ(中国系ジャーナリスト)
マリオン・コティヤール・・・リリー(ダニエルの恋人)
エマ・シェーベルイ・・・ペトラ(エミリアンの恋人)
エドュアルド・モントート・・・エレイン
シルヴェスター・スタローン・・・空港へ向かう客
シリル・アビディ・・・警官


◆ストーリー◆

スピード狂のタクシー運転手ダニエル。

恋人のリリーは、車のことしか頭にない彼に愛想を尽かして実家に帰ってしまう。

一方、刑事のエミリアンは、銀行強盗団に8ヶ月もの間、振り回されっぱなし。

恋人のペトラから大事な話があると言われても上の空。

そんな2人が再会を果たした矢先に敵のアジトを発見。しかし、エミリアンが敵に見つかり拉致される。



◆感想◆

いきなり大物が出てきます。(キャストを見ればすぐにわかると思いますが、S・スタローンです。)

ダニエルは、その大物を乗せて、改造タクシーで空港まで爆走。

スタローンが出てくるのはそのシーンだけです。

私、スタローンのアクション映画って観たことないんですが、あれは、スタローン出演作のパロディなんでしょうか?

あと、観終わってからキャスト見て、シリル・アビティ(「マルセイユの悪童」と呼ばれるK-1ファイター。ボビー・オロゴンのK-1デビュー戦の対戦相手。)が出てるのに気づいた。

”犬を連れた警官役”で出てたそうです。まったく気づきませんでした。


今回は、謎の銀行強盗団を捕まえようっていうストーリーなんですが、オトコって鈍感なのね♪っていうエピソードも。

まず、ダニエル。

恋人のリリーと同棲中なんだけど、車のことしか頭になくって、恋人ほったらかしで、車のメンテナンスに命掛けてる。

そして、刑事のエミリアン。

同僚のペトラと同棲中なんだけど、銀行強盗団のことしか頭になくって、8ヶ月の間、ペトラに大事な話があるって言われても聞こうとせず、ペトラのお腹がどんどん大きくなってきてるのに気づかない・・・

それから、署長のジベール。

密着取材をさせて欲しいとやってきた、ジャーナリストの中国系美女キウに、メロメロドキドキ

キウのお色気作戦にまんまと引っかかり、強盗団を捕まえるための作戦をみ~んな喋っちゃう。


エミリアンとペトラのエピソードで、ペトラがエミリアンに妊娠を気づかせるため、部屋にカリフラワーを置いたりするんですが、フランスでは、カリフラワー=妊娠って感じなんですかね?

一昔前に流行った「キャベツ畑人形」みたいな感じ?(日本で言うところの「こうのとり」みたいな感じなんでしょうか?)


今作のクライマックスは、アルプスの雪山。ダニエルのプジョーが雪山を駆け抜けます。

しかし、えらくあっさりと解決したなって感じ。あっけない結末というか。

もっと、悪党が抵抗するのかと思ったが・・・

TAXi 2 」よりは、物足りなさが感じるものの、捕まるまで一波乱、二波乱あるのって面倒に感じることがあるので、アタシ的には、OK。

大波乱を期待している方には間違いなく物足りない結末だと思います。


事件解決後、ちょっとしたオチ?があります。




アミューズソフトエンタテインメント
ノエル
★★★★★

NOEL(96分)


監督: チャズ・パルミンテリ
製作: アル・コーレイ、ユージン・マッソ
バート・ローゼンブラット、ハワード・ローゼンマン
製作総指揮: ジョナサン・ダナ
脚本: デヴィッド・ハバード
撮影: ラッセル・カーペンター
プロダクションデザイン: キャロル・スピア
衣装デザイン: レネー・エイプリル
編集: スーザン・E・モース、ジョセフ・グトウスキー
音楽: アラン・メンケン

出演: スーザン・サランドン・・・ローズ・コリンズ
ペネロペ・クルス・・・ニーナ(マイクの婚約者)
ポール・ウォーカー・・・マイク(警官、ニーナの婚約者)
アラン・アーキン・・・アーティ(カフェのウェイター)
マーカス・トーマス・・・ジュールズ(病院に入院したい男)
チャズ・パルミンテリ・・・アリゾナ(ジュールズが知人の紹介で出会った謎の男)
デヴィッド・ジュリアン・ハーシュ・・・バートン
ロビン・ウィリアムズ・・・チャーリー・ボイド/元神父(クレジットなし)
ダニエル・サンジャタ・・・マルコ(ローズの同僚)


◆ストーリー◆

クリスマス・イヴのNY。

児童書の出版社で働くバツイチ、子ナシのローズは、仕事と母親の介護に明け暮れ、自分の幸せを半ば諦めていた。

子供の頃に病院で祝ったクリスマスだけが唯一最高の想い出だというジュールズは、病院に入院するために作戦を練る。

婚約中のニーナと警官のマイク。

2人は、幸せの絶頂であったが、マイクは、嫉妬深く、マイクの行き過ぎた行動がニーナを追い詰め、ニーナは部屋を飛び出してしまう。

カフェで働く老人アーティは、客として訪れたマイクに対して、まるで昔から知っているような振る舞いで接する。

マイクは不審に思うが、その夜、アーティがマイクの部屋を訪ねてきて・・・

幸せから取り残されてしまった彼らに、クリスマス・イヴの夜、小さな奇跡が舞い降りる。



◆感想◆

クリスマス・群像劇といえば、「ラブ・アクチュアリー 」が真っ先に思い浮かびますが、「ラブ・アクチュアリー 」の規模が小さい版って感じです。

下手すると見過ごしてしまいそうな、ほんのささやかな幸せが物語の最後に訪れます。


私が一番好きなエピソードは、嫉妬深さが原因で、婚約者を苦しめてしまった警官のマイクとカフェのウェイターをしている妻を亡くしたアーティーという老人の話。

アーティは、客として訪れたマイクにまるで昔からの知り合いのように話しかける。

マイクは、人違いだと思って軽くあしらうんだけど、アーティーは、マイクが死んだ妻の生まれ変わりだと言い出して・・・

あまり言ってしまうとネタばれになるので、言わないでおきますが、その後、色々とゴタゴタがあって、マーティーの妻が何故死んだのかをマイクが知ることになるわけです。

その理由を聞いて、マイクは、婚約者に対する態度を改めようと決心するんですよね。


あと、ロビン・ウィリアムズが出てるんだけど、ストーリーの上で結構重要な役なのに”クレジットなし”なんだそうです。

ロビン・ウィリアムズは、スーザン・サランドンと絡んでくるんですが、このお話も素敵です。


監督自身も出演してるということですが、どこに出てた?って思って、必死に探したら、14歳のときに、入院した病院でのクリスマスパーティーが忘れられず、クリスマスに何とかして病院に入院したいジュールズが、骨折するために大金支払って、友人に紹介してもらった謎の男の役で出てたそうです。


叶うはずのない恋が成就したり、勝てるはずのない相手に勝てたり、大金が転がり込んできたりとかいうサクセスストーリーや、アメリカンドリーム的な大きな幸せが舞い込んでくる話ではないけど、こういうささやかな幸せを描いた作品大好きです。

っていうか、人生って、こういうささやかな幸せで成り立ってるんだと思う。

大きな幸せばっかり追い求めてる人って、こういうささやかな幸せに気づかないで人生を終えていくんだろうねぇ・・・シラー

毎年、クリスマスに観たい映画です。

パイオニアLDC
山の郵便配達

★★★★☆

那山 那人 那狗
POSTMEN IN THE MOUTAINS(93分)


監督: フォ・ジェンチイ
製作総指揮: カン・ジェミン、ハン・サンピン
原作: ポン・ヂェンミン 「那山那人那狗」
脚本: ス・ウ
撮影: ジャオ・レイ
作曲: ワン・シャオフォン
美術顧問: リィウ・ミンタイ、ディン・ライウェン

出演: トン・ルーチュン・・・父
リィウ・イエ・・・息子
ジャオ・シィウリ・・・母
ゴォン・イエハン・・・目の見えない老婆
チェン・ハオ・・・トン族の娘


◆ストーリー◆

80年初頭の中国・湖南省西部の山間地帯。

長年郵便配達局員として勤めあげた男は、仕事を息子に引き継がせるため、息子と愛犬”次男坊”ともに最後の仕事へと出発する。

2泊3日を要する過酷な道のりであったが、重い郵便袋を背に、険しい山道を行く。

仕事で留守がちであった父に対して、わだかまりを抱えていた息子であったが、父が立ち寄った村々で人々から信頼されている姿を見て、徐々に父への思いを新たにしていく。


◆感想◆
原題の「那山 那人 那狗」は、「この山、この人、この犬」っていう意味らしい。

でも、この原題がまさにこの作品を表してると思う。

郵便を配達する集落に着くまでは、見渡す限りの山に2人の人間と1頭の犬。

素朴で、静かにストーリーが進んでいく作品。

親子と一緒に配達に行く犬が、”次男坊”っていう名前なんだけど、シェパードなんです。

中国の山奥でジャーマン・シェパードを飼ってるという設定が最初、若干違和感あったのですが(中国の犬=チャウチャウとかシーズーとかペキニーズのイメージがあるもんで・・・)、この”次男坊”が最初から最後まで名演技なんです!

犬好きにはたまらない作品です。

犬の話はこれくらいにして、本題に入りますが、この親子は、決して仲が悪そうには見えないんですが、息子が子供のころから、父親のほうは、仕事で留守がちで、何となく、話しづらいという感じなんですよね。

父親のほうが、足を悪くして、これ以上郵便配達は続けられないということで、息子が跡を継ぐ決心をするんですが、何故跡を継ごうと思ったのかっていうのは、描かれていない。

でも、父親と配達に回るうちに、父親の偉大さと、誇りを持ってしっかりと跡を継ごうという想いを強く持つようになるんですよね。

特に、ある村で孫からの手紙を楽しみに待っている盲目のおばあさんに手紙を読み聞かせるシーンは、感動したし、自分の父親だとしたら、尊敬してしまいますね。

というのも、都会に住んでいるおばあさんの孫からの手紙には、お金が入ってるだけで、メッセージなどは何も書かれていないんですよね。

父親は、盲目のおばあさんのために、白紙の手紙に即興でメッセージを作って読み聞かせるんですよね。

そして、続きは息子に、と言って息子にバトンタッチする。

息子は、白紙の手紙を見て、戸惑うんだけど、すぐに状況を理解し、父と同じようにおばあさんに読み聞かせる。(息子の読んだ内容は、ちょっとおせっかいな内容であったけれども。)

あと、息子が父親を背負って川を渡るシーンや、風で飛んだ郵便物を父親が必死に追いかけるシーンも好き。

郵便物を追いかけるシーンは、父親が郵便配達の仕事にどれほど命掛けてるか、誇りを持ってるかっていうのを感じ取れるシーンでした。

それと、息子がトン族の女性と仲良くなるんですが、そのトン族の女性がラジオを聴いてるとき、電波状況が悪くて聴きづらいので、お椀のふたをかぶせて聴きやすくする(スピーカーにする?)っていう細かい描写もいい。

配達が終わって、家に帰るころ、父親と息子の間には、すっかりわだかまりも消え、そんな2人を母が優しく迎えてくれる・・・見終わって、とっても清々しい気持ちになれる作品でした。

女の私でも、昔、父親に反発したこととか色々思い出したので、男性で特に親の跡を継ぐかどうか悩んだことのある人なんかが見ると、非常に感情移入できるうのではないでしょうか?

何か懐かしい、胸にジーンとくる映画です。

ファーストトレーディング
紳士は金髪がお好き


★★★★☆

GENTLEMEN PREFER BLONDES(92分)


監督: ハワード・ホークス
製作: ソル・C・シーゲル
原作: アニタ・ルース
原作戯曲: ジョセフ・フィールズ、アニタ・ルース
脚本: チャールズ・レデラー
撮影: ハリー・J・ワイルド
作詞: ジュール・スタイン、ホーギー・カーマイケル
作曲: レオ・ロビン、ハロルド・アダムソン
音楽: ライオネル・ニューマン

出演: マリリン・モンロー・・・ローレライ
ジェーン・ラッセル・・・ドロシー
チャールズ・コバーン・・・フランシス・ビークマン卿
トミー・ヌーナン・・・ガス・エズモンド(ローレライの婚約者)
エリオット・リード・・・アーニー(私立探偵)
テイラー・ホームズ・・・ガスの父
マルセル・ダリオ・・・判事
ジョージ・ウィンスロウ・・・ヘンリー・スポフォード三世
ノーマ・ヴァーデン・・・ビークマン夫人(ビークマン卿の妻)


◆ストーリー◆

ニューヨークのナイトクラブのダンサー、ローレライは、婚約者で金持ちの息子ガスと結婚するためにパリへ行く予定だったが、ガスの父親が出発直前に病気になる、ガスが行けなくなってしまった。

ガスの切符でローレライは、同じナイトクラブで働くダンサーのドロシーを誘い、2人でパリ行きの船に乗り込む。

旅の目的は、ローレライは、”金”、ドロシーは、”男”。

しかし、ガスの父親がローレライの素行を調べるために、パリ行きの船に私立探偵のアーニーを送り込む。

ローレライとドロシーは、アーニーと親しくなるが、探偵ということに気づき、写真のフィルムを奪おうと計画する。

一方、金に目のないローレライは、ビークマン卿という大富豪に接近し、夫人の髪飾りをローレライにプレゼントするが、その髪飾りがパリ到着後、2人を大騒動に巻き込む。



◆感想◆

お金しか頭にない、オツムがちょっと弱い女性をマリリン・モンローがキュートに演じてます。

モンローの相手役のジェーン・ラッセルは、モンローとは対照的にしっかり者で、この金髪(モンロー)と黒髪(ラッセル)の珍道中(?)を描いた作品。

モンローが演じるローレライは、婚約者がいながら、色仕掛けでお金持ちの男性とお知り合いになって、お金とか金目のものを手に入れたいと思ってるんですよね。

一方、ラッセル演じるドロシーは、男が目当て。

そんな2人が乗客名簿を見て、お金持ちそうな名前の男性を探して、パーティーで同じ席にしてもらおうと計画する。

2人が選んだのは、”ヘンリー・スポフォード三世”。

その”ヘンリー・スポフォード三世”と同じ席にしてもらうのに、ボーイに色仕掛けでお願いして、成功。

しかし、席にやってきたのは、7歳くらいの男の子だった!!

別のシーンで、その”ヘンリー・スポフォード三世”とローレライがひょんなことからに二人羽織になるシーンがあるんだけど、あれはサイコーです。

あと、裁判所のシーンで、ドロシーがローレライに成りすまして出廷するシーン。

あれは、一瞬気づかなかった。

何か感じが違うな~、何かごついな~って思ったんですが。


一応、ミュージカルなんだけど、それほどミュージカル色が強くない(と私は思った)ので、ミュージカル嫌いの人も許容範囲ではないでしょうか?


マリリン・モンローの映画を見るまでは、モンローってただのセックスシンボルとしか思ってませんでしたが、とっても魅力的な女優さん(コメディエンヌ)だったんですね。

彼女を超える女優は出てこないだろうって言われてるそうだけど、わかるような気がします。

エリザベス・テイラーとかグレース・ケリーとか言われても知らない人も多いだろうし、パッと顔や容姿が思い浮かばない人もたくさんいると思うんだけど(私もよく知らない。)、大人でマリリン・モンロー知らない人いないんじゃない?!

セクシーな、コケティッシュな感じのモンローもいいですが、私は、天然ボケっぽい、ちょっとオバカな役のモンローが好きですね。

ソニー・ピクチャーズエンタテイメント
ハッピー・フューネラル

★★★☆☆

BIG SHOT'S FUNERAL
THE FUNERAL OF THE FAMOUS STAR
大腕(100分)


監督: フォン・シャオガン
製作: ヤン・ブーチン、ワン・チョンユン
脚本: フォン・シャオガン、リ・シャオミン、シー・カン
撮影: チャン・リー
音楽: サン・パオ

出演: ドナルド・サザーランド・・・タイラー(映画監督)
ロザマンド・クワン・・・ルーシー(助手)
グォ・ヨウ・・・ヨーヨー(カメラマン)
ポール・マザースキー・・・トニー(スタジオの責任者)
イン・ダ・・・ルイス(ヨーヨーの友人)



◆ストーリー◆

映画監督タイラーは「ラストエンペラー」のリメイクを製作するため、中国・紫禁城に来ていた。

しかし、膨大な予算が掛けられたにもかかわらず、タイラーはアイデアに詰まってしまい、なかなか撮影が進まない。

そんなある日、タイラーは助手のルーシーとヨーヨーから、中国では70年以上生きた人に、大往生を祝う葬式“喜葬”をするとという話を聞く。

タイラーは、それを面白がり、自分も“喜葬”にしてほしいと言い出す。

そしてその直後、タイラーは心臓発作で倒れこん睡状態になってしまう。

そこでヨーヨーはタイラーの希望を叶えてあげようと喜葬を計画するのだが…。



◆感想◆

これは、中国人カメラマン役ヨーヨー(グォ・ヨウ)の映画。ってか、グォ・ヨウしか印象に残らないんですけど(^^;

ドナルド・サザーランド演じるアメリカ人映画監督タイラーが雇われたばかりのカメラマン、ヨーヨーのことを気に入り、ヨーヨーから中国の「喜葬」の話を聞くんだけど、タイラーと英語がまったく話せないヨーヨーの通じてるんだか通じてないんだかわからないやりとりが面白い。

タイラーは、喜葬の話を面白く思い、自分も死んだらそうしてくれとヨーヨーに言うんですよね。

すると、タイミング良く(?)、タイラーが心臓発作で倒れ、意識不明に陥ってしまう。

これはダメだ・・・と思ったヨーヨーは、タイラーが望んでいる喜葬をしてあげようとタイラーがまだ死んでないにもかかわらず、喜葬の準備を進めるわけです。

この「死んでない」という時点でオチは想像がつくと思いますが、喜葬を計画し、実現するためにあちこち奔走する場面は、まるで香港映画のコメディを観ているようです。

気軽に観れるコメディです。時間があるときにサラッと観るのにお勧め。