★★★☆☆
BAWKE(15分)
監督: Hisham Zaman (ヒシャム・ザマン)
製作: Gudny Hummelvoll Andersen
製作総指揮: Hakon Overas,Turid Oversveen
脚本: Hisham Zaman(ヒシャム・ザマン)
撮影: Marius Matzow Gulbrandsen
音楽: Oistein Boassen
出演: Sedar Ahmad Saleh・・・父
Broa Ako Rasol・・・息子
Hakon Hatlen・・・警官
Havard Jenssen・・・警官
Kemal Mohammed Kadir・・・通訳
◆ストーリー◆
父と子はもう長いこと逃亡を続けている。目的地を目の前にして、彼らは新たな問題にぶつかってしまう。
父は息子の未来がかかった苦渋の選択を迫られることになる。
◆感想◆
15分ほどのショートムービーですが、中身は濃い。
平和な日本では、きっとあり得ないシチュエーションだとは思うんですが、父親が苦渋の決断をするシーンは、子供のいる人はもちろん、子供のいない私でも胸を打たれました。
私がこの父親と同じ立場に立ったら、きっと同じような行動をするだろうと頭の中では思っていても、リアルにそういうシチュエーションになると、一体どうしただろうか?
自分の命を犠牲にしてでも子供を守るのが親だと思うのですが、この作品は、子供を突き放すんですよね。
息子だけでも幸せになってほしいっていう親心でしょうか。
この作品の監督ヒシャム・ザマンは、ノルウェーとキルギスタンのハーフなんだそうです。
そして、この作品のキャストは、キルギスタンのカルチャーセンターで呼びかけて探した素人とのこと。
特に子役の男の子は、名演技だったので、素人だと聞いてびっくりしました。
日本って今のところ平和だし、平和ボケしているので、難民なんてあり得ないと思ってるかもしれないけど、世界中にこの親子のような難民がいるんですよね。
子供のそばにいて子供を抱き締めることが最高の親子愛だと思ってしまいがちですが、子供を突き放す(子供の将来を思って子供を手放す。)愛情というものに気づかされました。
あの息子は、自分を捨てた父親をしばらくは恨むかもしれませんが、いつか、自分を捨てたことが自分に対する父親の愛情なんだと気づくでしょう。
この映画に関しては、色々と感じることがあるのですが、うまく表現することができません。
とにかく、この映画のように、戦争や紛争などで親子が引き裂かれてしまうようなことがなくなればいいと願うばかりです。