朝日新聞社
黄金狂時代 コレクターズ・エディション
★★★★★

THE GOLD RUSH(72分)


監督: チャールズ・チャップリン
製作: チャールズ・チャップリン
脚本: チャールズ・チャップリン
撮影: ローランド・トザロー
音楽: チャールズ・チャップリン

出演: チャールズ・チャップリン・・・探鉱者
ジョージア・ヘイル・・・ジョージア(キャバレーの女)
マック・スウェイン・・・ジム・マッケイ(探鉱者)
トム・マーレイ・・・ブラック・ラーセン(指名手配犯)
ヘンリー・バーグマン・・・ハンク・カーティス
マルコム・ウェイト・・・ジャック・キャメロン
ベティ・モリシー・・・キャバレーの女


◆ストーリー◆

19世紀末、ゴールド・ラッシュのアラスカ。

一攫千金の夢を求めて雪山をゆく人々中に我らがチャーリーもいた。

猛吹雪に見舞われたチャーリーは、なんとか山小屋に辿りつくが、そこに極悪指名手配犯ラーセンに遭遇!

ラーセンはチャーリーを追い出そうとするが、結局追い出せず、何故かさらにもうひとり、金鉱堀りのビッグ・ジムまで同居することに・・・



◆ストーリー◆

これさぁ~、きっと死と隣り合わせの過酷な環境で、これ(ゴールドラッシュの時代のアラスカ)を題材にした悲劇の映画をいっくらでも撮れるんじゃないか?って思うような状況なんだけど、チャーリーにかかれば、すべてが喜劇。

お腹が空いて、革靴まで食べてしまう有名なシーンがありますが、それ以外にも空腹のシーンで、何度も笑いました。

たとえば、小屋のシーンだったと思いますが、かわいい犬が一瞬写るんですよね。

犬が小屋を出て行ったら、同居人が肉を持って小屋に入ってくる・・・もしかして、犬を叫び・・・って思ったら、犬は無事だったという(^^;

あと、同居人のジムがあまりにもお腹が空いて、チャーリーがチキンに見えて追いかけ回されるシーンとか。

その後、チャーリーは、街のキャバレーでジョージアという女性に恋をして、大晦日に会う約束をするのですが、案の定、すっぽかされてしまう。

そんな切ないシーンでも、チャーリーは、ロールパンにフォークを刺してダンスをし、笑いにしてしまう。(このシーンは、「妹の恋人」でジョニー・デップが真似してましたよね。)

あと、忘れてはならないのは、朝、目が覚めたら、チャーリーたちがいる小屋が崖っぷちまで滑ってて、危機一髪逃げ出すシーン。

空腹で幻覚を見たり、革靴まで食べてしまうというのは、結構ブラックな笑いだと思うんだけど、小屋が崖っぷちで落ちそうになるっていうのは、シュールですよね。


結末は、今まで庶民の味方というイメージがあったチャップリンにしては、少し意外かもしれません。

あくまでも私のイメージなんですけど、これまでのチャップリンだったら、金塊は見つからなかったけど、別の幸運が訪れ、ジョージアとの恋も成就して、ジョージアと幸せに暮らす・・・みたいな結末を予想していたんですが、露骨にチャップリンが金持ち紳士になってて、ちょっとビックリした。
気持ちいいほどのサクセスストーリーです。