★★★★★
DEAR FRANKIE(102分)
監督: ショーナ・オーバック
製作: キャロライン・ウッド
脚本: アンドレア・ギブ
撮影: ショーナ・オーバック
プロダクションデザイン: ジェニファー・カーンキ
音楽: アレックス・ヘッフェス
衣裳デザイン: キャロル・K・ミラー
出演: エミリー・モーティマー・・・リジー(母親)
ジャック・マケルホーン・・・フランキー(息子)
メアリー・リガンズ・・・ネル(リジーの母)
ジェラルド・バトラー・・・ストレンジャー
シャロン・スモール・・・マリー(リジーの友人)
ショーン・ブラウン・・・リッキー(フランキーのクラスメイト)
ジェイド・ジョンソン・・・カトリオーナ
カティ・マーフィ・・・マッケンジー先生
アン・マリー・ティモニー・・・ジャネット(デイビーの姉)
ジョン・カゼック・・・アリー(マリーの恋人)
カル・マカニンク・・・デイビー(リジーの元夫・フランキーの実父)
◆ストーリー◆
リジーは、夫の暴力に耐えかね、母と幼い息子フランキーを連れ、スコットランド中を転々としながら暮らしていた。
夫の暴力が原因で耳が聞こえなくなったフランキーであったが、そんな事情も知らずにまだ見ぬ父へ手紙を書き続けていた。
母親のリジーは、フランキーに『アクラ号という船に乗って世界中を航海しているので会えない』と説明し、リジーが父親になりすまして息子フランキー宛の手紙を書き続けていた。
そんなある日、本当にアクラ号という船がフランキーたちの住む港町に寄港することに。
父親に会えると喜ぶフランキー。
リジーは、悩んだ挙句、寄港中、フランキーの父親役を演じてくれる男性を探し、友人のマリーに紹介してもらった男を父親役として雇うことに・・・
◆感想◆
心温まるいい話だね~っていうのが見終わったあとの素直な感想。
耳が不自由な9歳の男の子フランキーは、まだ会ったことのない父親に手紙を書き続けているわけです。
そのあて先は、私書箱で、フランキーが父親宛に書いた手紙を母親が私書箱まで取りに行き、母親が父親に成りすまして返事を書いているんです。
父親は、”アクラ号”という船に乗って世界中を周っていると聞かされているんですが、その”アクラ号”がフランキーの住んでる港町にやってくることになって、母親のリジーは悩んだ挙句、父親役を雇うことにする。
この父親役がジェラルド・バトラーなんですが、ジェラルド・バトラーって「オペラ座の怪人」とか「300」のイメージしかないもんで、こんな役もしていたとは意外です。
このジェラルド・バトラーが演じる役、役名がないので(ストレンジャー=strangerなので)、何と呼べばいいのか困ってしまいますが、父親役の男orニセモノのパパとでも呼びましょうか。
フランキーの母親リジーは、父親役の男とは、ビジネスと割り切っていて、フランキーと一緒にいるときは、夫婦を演じているけど、それ以外のときは、結構警戒心むき出しというか・・・逆に父親役の男のほうも、どちらかといえば、報酬の前払いを請求したりするヤな男系なんですよね。
でも、父親役の男は、フランキーと接するうちに、母親は、フランキーと遊んでいる父親役の男の姿を見ているうちに、だんだんと心を許してくるんです。
もしかして、リジーと父親役の男が恋に落ちちゃったりなんかして?!って思わせておいて、ニセモノのパパは、母子の元を去って行く。
フランキーの本物の父親が途中、出てくるんだけど、本物の父親に会わせなかったのもいい。
実父は、病に臥していて、余命いくばくかの寝たきりの状態なのに、相変わらず暴力的で、息子に会わせろとうるさいんですよね。
実父の姉も何とか会わせてやって欲しいと懇願するんだけど、母親のリジーは、頑なに拒否。
もう死ぬんだから会わせてやっても・・・っていう気持ちになりそうなところなんですが、いよいよ死ぬっていうときのリジーの対応は、最善の方法だったと思う。
そして、父の死をフランキーに知らせるんですが、当然、フランキーは、死んだ父というのは、先日会った父親役の男だと思ってるわけで・・・
でも、リジーにとっては、父親に成りすまして手紙を書く必要もなくなるので、実父の死のおかげで息子との文通に終止符が打たれると思っていたのですが、ラスト、心温まるどんでん返しがあるんです。(どんでん返しってほど大層なものではないか。)
子どもって大人のことしっかり見てるのね~。みたいな。
でも、そのおかげで、また、リジーとフランキー、そして、ニセモノのパパがまた会えそうな気がする、そんなラストシーンでした。
とにかく、温かくて、ほっこりとした気分になれる作品。